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日本酒伝道師 ジョン・ゴンドナーから学ぶ「日本酒の世界」レポート

[講師]
ジョン・ゴンドナー

[講義内容]

暮らしの教室・特別教室、日本酒伝道師 ジョン・ゴンドナーから学ぶ「日本酒の世界」が6月18日開催されました。

今回は日本酒ということで蔵元料理「天青」にある「麹室」で講演会が行われました。

雰囲気のある麹室、この部屋にも沢山の酵母菌が住み着いていて、全然お酒が飲めない方は酔ってしまうことも・・・。

日本酒伝道師ことジョン・ゴンドナーさんは28年程前に日本に来日されました。ゴンドナーさんは生粋のアメリカ人で、日本に来た理由も英語教師として招聘され、それまで日本酒はもちろん、日本には縁がなかったそうです。ただ、お人柄なのか日本で残って会社に契約されたりするうちに、帰る気がなくなってしまったそうなのですが、そのうちに日本酒と出会い、日本酒の飲み比べをするうちに知識も増え、調べれば調べるほど奥が深い日本酒にはまっていったそうです。

とはいえ、会社を辞めて日本酒伝道師になるという決意は、日本酒への愛情を感じずにはいられませんでした。なんで日本酒なのか?というと、初めは安い熱燗ばかりを居酒屋で飲んでいたゴンドナーさんでしたが、ある日一升瓶の高いお酒を飲ませてもらってから、人生が変わってしまったとおっしゃっています。同じような理由から、また先入観から、日本酒を世界に広げる活動はなかなか難しいそうですが、ゴンドナーさんはその時の感動を欧米の方々をはじめ世界中にしってもらえたら・・・と考えているそうです。

いまはまだ市場の少ないヨーロッパなどでも先入観を捨て、たくさんの人が日本酒を飲む姿を逆に日本人が観たら、日本での日本酒の製造ももっと盛り上がり、盛んになるのでは、とも考えていらっしゃいます。逆に市場が少ないところはこれからだ、と意気揚々と語っておられました。日本酒を飲んで楽しむだけでなく、日本酒とともに歩むことを楽しんでいらっしゃるんですね。

世界に伝える日本酒の魅力は何か?ということでお話しくださったのは、

一言でまず

・美味しい(香りと味=香味)

とおっしゃっていたのは、日本人の私から観ると逆に新鮮でした。そうか、日本酒は美味しかったのか、と。

それから、

・他のどんな酒とも違うというユニークさ。特別感。(これも外国人ならではの視点です。)

・異文化の魅力

・未知の世界の魅力(歴史、文化、技術)

ということが挙げられるそうです。ゴンドナーさん自身も、「一生かかっても勉強しきれない」とおっしゃっていました。

「日本酒は美味しくて奥深い」ということを伝えるために、たくさんの工夫をされていました。その甲斐あってか、年々アメリカでも日本酒を現地生産(清酒)するところも増えているとか。そこには材料の問題など、美味しい日本酒をしっかり生産するにはまだまだ道のりが長そうですが、それでも日本酒が親しんでもらえるきっかけになると嬉しそうに話されていました。輸出の需要のためか、日本国内での日本酒の生産量が上がっているということも、私たちには誇らしい話だと感じました。

日本酒の輸出事情が分かって来たところで、テイスティングです。

利き酒とは・・・

・香りをみる(強ければ良いわけではなく、味とのバランス)

・口当たり(軽いか重いか)

・酸味(これもバランス)

・舌の上に空気を含ませ転がして味の変化をみる

一番最後の舌の上で転がし空気を含む、はワインには無い感覚で、軽い日本酒特有の味わい方のようです。

お酒の説明があり、いよいよテイスティング。他の方にも聞いてみると、全然違う味わいを言ってきたりするのでそれも面白いそう。

4種類出されたお酒の中でどのお酒が好きかで自分が〇〇系と分かるので、今後選ぶ目安になるとのことでした。

お客様にどのお酒が良かったですか?と聞くと、個性的な「山廃」を選んだ方は、飲みやすさというよりは、味の複雑さに惹かれるということだったのですが、アイスランドから来た外国の方も、同じものを良いとおっしゃっていて、(複数人)「味がはっきりして強めの方がいい」とおっしゃっていたのは興味深かったです。女性の方は、自分はお酒だけを飲むというより食べ物と一緒に嗜みたいので辛口のものかすっきりしたものがいいと仰っていました。確かに、日本酒はきっと日本料理とともに飲まれてきたものだから、それとともに提供するということも大事だな・・・などと自分も日本酒を売り出す気持ちになったりしてしまいました。

試飲をしていただき、沢山の意見をきき、沢山の深い味わいを飲み比べていくことが日本酒利き酒の一歩かな、と感じました。それを外国の方に教わる、という妙も日本酒のなせる業なのかもしれません。