あなたを幸せにするジブンノモノサシ
 

特別教室80 今和泉隆行「空想地図・空想都市の世界」レポート

[講師]
今和泉 隆行

[講義内容]

2019年最初の特別教室は、実在しない架空の都市の地図(空想地図)を描き続ける今和泉隆行さんをお招きして旧三福にて開催しました。テーマは「空想地図・空想都市の世界」。
 

 
子ども時代に地図を作り始めてからこれまでの空想地図作成の変遷に始まり、実際どうやって地図をつくっているのか、今現在の今和泉さんはどんな活動をしているのか、などなどじっくりお伺いしました。
 
空想地図って理想のまちの地図なんですか?ってよく聞かれるらしいんですが、まったくそんなことはないそうです。今和泉さんが空想地図でしているのは、あくまでも“現実的な都市のシミュレーション“。あらゆる他者になりきることで、都市としてのリアリティが追求できるといいます。共感はできない、接点のない人々の日々を想像するのが楽しい、と今和泉さん。さらに歴史や地理、地学、経済や文化といった様々な観点も加えて地図をつくり、何度も書き換えられているので、やっていることの壮大さと奥深さにもはやクラクラしてしまいました…!
 
そして、おしゃべりのなかですごく印象的だった「僕ってプライドがないんです」という言葉。これも地図がブラッシュアップされてよりリアルになっていっている秘訣のひとつ。自分の不得意な部分は人に助けてもらい、間違いや足りない部分を指摘されれば検証して受け入れる柔軟さがあってこそ、より精度の高い地図ができていくんだと思いました。
 
もはや素人目にはホンモノの地図、ホンモノの都市と変わらない、ものすごく精細で緻密な今和泉さんの空想地図。それは、超フラットな目線と柔軟なあり方、膨大な知識量のたまものなのでした。 
 
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トーク終了後も今和泉さんを囲んでみんなでワイワイにぎわいました。空想地図をつくっているという小学3年生の少年と、彼が持参した自作の地図を囲んで熱心に話し合っている様子は、研究者同士の議論、って感じでとてもよかったです。
 


 
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[暮らしの教室から 3つの質問]
■今和泉さんのターニングポイント
 2011年に会社員を辞めて自営業になったとき。自分には何ができるのだろうか、ということを改めて考え直した機会だった。
■幸せのモノサシ
 睡眠欲が満たされているとき!あとは誰にも頼まれていない“そんなことやってどうするの?”というようなことが、意外なところで面白い展開になったとき、幸せというか、ホッとする。
■これから望む社会
世の中に特に期待はしてないので願望はないけど、みんながもっと小さな失敗を気にせずできるようになったらいいなと思う。みんなが守りに入りすぎて安定志向で生きていくのではなく、問題を解決して変わっていこう、良くしていこう、という人たちが現れて小さな変化の重なりが起きてほしい。
 
 
●講師プロフィール
今和泉 隆行
1985年生まれ。7歳の頃から空想地図(実在しない都市の地図)を描き、現在も空想地図作家として活動を続ける。
大学生時代に47都道府県300都市を回って全国の土地勘をつけ、地図を通じた人の営みを読み解き、新たな街の見方を模索している。著書『みんなの空想地図』は話題を呼び、タモリ倶楽部やアウトデラックスなどでも取り上げられるなどしている。日経ビジネスオンラインライター、ゼンリンアドバイザーを経て、都市や地図に関する情報を、多様な人につかみやすい形で提供すべく、情報デザイン、記事執筆、社員研修、テレビドラマの地理監修・地図制作に携わっている。空想地図は現代美術作品として、各地の美術館でも展示巡回中。主な著書に「みんなの空想地図」(2013年)、「地図感覚(仮)」(2019年予定)。
  
空想都市へ行こう! – 地理人がいざなう、空想地図の世界へようこそ。