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特別教室82「アートとまちづくりの不真面目でちょっと幸せな関係」レポート

[講師]
林曉甫(アートプロジェクトディレクター)

[講義内容]

アートと言われて一般的に真っ先に思い浮かぶのは美術館の中にある絵画や彫刻じゃないかと思う。
しかしアートは別に美術館の中だけにあるものではない。

ある一定の空間を作品化しそこにある日常のものや景色、時に天候さえを作品として体感することができるアートもある。それはインスタレーションと呼ばれ空間全体を作品化する手法のことで、瀬戸内芸術祭や越後妻有で行われている大地の芸術祭などで各地で行われているアートプロジェクトで見ることができる。

林さんはそんな芸術祭などに代表されるアートプロジェクトのディレクターをしている。
ディレクターの仕事とはアートプロジェクトの運営の多岐にわたるが、アーティストがどんなものを作るかということに伴走するのも仕事なのだそうだ。時に褒め、ダメ出しをし一緒になって一つの作品を作り出していく、それは作家や漫画家と編集者のような関係に近い。
彼の話で印象に残った言葉がある。
社会彫刻家だ。
あらゆる人間は自らの創造性によって社会に幸福に寄与しうるとし、誰でも未来の社会を作っている彫刻家であるし、またそうでなければならないというもの※1だそうだ。
彼はアートを絵画や彫刻だけと捉えていない。
もっといえばインスタレーションだけでもない。
目に見えない本質を具体的な姿に育て、ものの見方、知覚の形式をさらに新しく発展させていくこと、それが彼の考えるアートだ。そしてそれは社会彫刻である。
彼のNPOの名称はインビジブルであり、NPOのHPのトップにかかれたINVISIBLE TO VISIBLEと書かれていることからも理解できる。
社会課題解決の手法に成り下がりつつあるアートプロジェクトを目的にする必要はない、大変だし必ずしもアートプロジェクトをやらなくてもいいと思うよ、僕は社会彫刻家を増やしたいだけと笑う彼はアーティストよりもアーティストらしく真の社会彫刻家だと思った。
大磯 ハラダイスケ
※1 現代美術用語辞典より