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暮らしの教室 特別教室第89回レポート

[講師]
宮治淳一

[講義内容]

 宮治淳一の茅ケ崎名盤アワー』

2019年10月19日(土) に第89回暮らしの教室が熊澤酒造wurst cafeにて開催されました。

今回の講師は音楽カフェ「ブランディン」を営む、地元から愛される音楽評論家、名プロデューサーの宮治淳一さんのお話しです。

宮治さんは知る人ぞ知る、音楽界のトップランナー。熊澤酒造では毎年「ドングリ市」に出店していただいたり、地元茅ケ崎で音楽資料館/カフェ「ブランディン」を奥様と経営されています。

始めは宮治さんの生まれから。まだ町名も無い、家も周りが3軒しかなかったころの茅ケ崎のご自宅でお生まれになったそうです。

現在60代の宮治さん。60年前は茅ケ崎には本当に「何も無かった」ことが伺い知れます。宮治さんはこの「何も無かった」ということが茅ケ崎の地力(宮治さんが作られた映画「茅ヶ崎物語 ~MY LITTLE HOMETOWN~」を創るうえでテーマとなった名音楽が生まれるエネルギーのこと)であると言及されています。今回のお話しの中でもキーポイントとなっていました。

宮治さんの気さくなお人柄で、明るい雰囲気で始まった会でしたが、今回の講演で茅ケ崎出身でない方は全体の1/3程度。あまりにも茅ケ崎のコアな地名などを出されると、正直アウェイな感じは否めないものの、茅ケ崎出身の方にはたまらんのだろうなあ、と宮治さんの「茅ケ崎LOVE」の感覚に、及び腰になるやら興味をそそられるやら。

そんな宮治さんは音楽マップ(非公開)なるものをご自分で作り、茅ケ崎の土地柄と名音楽が生まれる関連性を考察されていたのでした。 そのマップを観ながらお話しが進みます。このマップをみて「あ~~~!」とうなずかれるのはやはり茅ケ崎の方だけでしょう…。

ただ、完全なる地元トークながら、音楽業界に精通されている宮治さんゆえに、芸能界を通して、なるほど~茅ケ崎ってそういう土地だったのか~という茅ケ崎民以外の人たちの関心も寄せるとともに、どんどん熱を帯びていくのを感じました。

音楽マップでは、北には何もなく、やはり南に集中していました。(これから北に期待大!だそうです。)何も無いとは言っていたものの、北口しか無かった茅ヶ崎駅から、南湖に向かうと、魚屋が100件あった歴史などを例に、集まるところには集まってしまう地力というものを紐解いていかれるのでした。

茅ケ崎に戦前映画関係の方が多かったことや、桑田佳祐さんの先見の明や現代性、そういった大人物が人を呼ぶ、ということを分析されていました。

その中でもかの有名な加山雄三さんは、戦後の疲弊した世の中に影響を与えたビックスターというイメージに違わないのですが、茅ケ崎に居ることで何故か身近に感じてしまう、やはり地力というのか土地マジックというのか、まるで親戚の方かのように加山さんのヒストリーを熱く語っておられて、加山雄三を知らない私でも、ああ、何だか地元にスターがいるというのは、うらやましいというか、エネルギーになるのだと感じたのでした。

加山雄三さんと桑田佳祐さんも実は桑田さんが幼少の頃にニアミスしているそうです。そういったお話しも当事者しか分からないような濃い話なのですが、気さくにお話しされていて、私たちの身近に感じさせてくださるところが、宮治さんに受け継がれた茅ケ崎の地力のような気がしました。

というわけで、砂地で何も無かった茅ケ崎の土地を買うなら南、ということで、真っ新な土地に革新的な人たちが集まり、革新的なことをやろうとしていた、ということなのですが、名音楽が生まれた理由については「結論らしきものは無い」と笑いながら仰っていました。

ただ、茅ケ崎が「何も無かった」ということから考察すると、何も無かった砂地は、ある意味人類が初めて住んだような、つまりは変なものを引き継がない、真っ白なキャンバスで始める人にとっては絶好の場所なのではないかと仰っていました。

↑砂丘のような何も無い頃の茅ケ崎の映像を小津安二郎が撮っている。

例えば、1000年の都である鎌倉に住んでいるある外国の方のお話しですと、人の重い気のようなものが充満していて、息が詰まるということもあるのだそう。

それに比べて歴史の上に全然乗っかっていない茅ケ崎は、「ぱっぱらぱ~でいい。」

「自分が始めるところ」だとも。

何十年も音楽に浸りきり、その歴史を垣間見てきた方の「ぱっぱらぱ~」という言葉に会場は大爆笑でしたが、最後に「ま、そんな気がするだけですけどね」という一言で、重みが無く、オープンな感覚が心地よい、“茅ケ崎地力”を感じつつ幕を閉じたのでした。

恒例3つの質問は社長が聞き忘れましたので、宮治さんのこんな一言で代わりとさせて頂きたいと思います。

「茅ケ崎は紅白歌合戦に4人も出場してるんですよ!!是非香川地区からも‼」