特別教室「暮しの中で作品をつくること」レポート
講師 古賀充
会場 熊澤酒造
日程 2/12 15:00-16:30
2月12日(日)に、暮らしの教室特別教室がmokichi wurst cafe にて開催されました。
古賀充さんと言えば、上の写真のような自然物を作品として形にされる造形作家さんです。
まずはお話の中で、その作品たちがどのような過程を経て作られてゆくかなどを話していただきました。
古賀さんは、まず必ず作品の中で「素材」を探すところから始まるのだそうで、ご自分が思う「美しいもの」をあちこち探しまわるのだそうです。海岸で石を拾うのはもちろん、木をモチーフにされた場合、「美しいと思う木のフォルム」を探し、1日中町中を写真を撮りながら歩くことも。
それが何週間も続くこともあり、時には自分をみうしないそうになることもあると話してくださいました。でもそれは、作業の中でとても好きな部分でもあり、一番楽しいと思えることもあるそうです。
そういった素材に出会えてからは、ひたすら削ったり、切ったりなどの作業に入ります。
その作業も、調子が良かったり、悪かったり・・作業量や集中力のバランスなど、普段は聞けないような繊細な部分も質問などによって細かくご説明くださいました。
例えば古賀さんの代表的なこちらの石の作品。
水は入らない花器なのですが、上部の口の部分を、手作業で削っていくのだそうです。
また、この作業に限らず古賀さんが形作りをされる際にとても大事にしていることの一つが、「素材」が変化するのを出来るだけ自然と近い方法で行うこと。
こちらの作品の場合でしたら、石が川や海で水や砂や石にぶつかり削られて行くように、サンドブラスト(石を吹き付けて削る方法)などの作業をするそうです。
こちらは、貴重なもう作ることのできないという葉っぱを削って木に見立てている作品。
手で葉脈に沿って切って行くのだそうです!
この作品に限らず、それぞれの素材に対峙し、自然な流れを壊さないように作品を造っていらっしゃり、作業の疲労というのは、物理的なことよりも、「素材」に対して気を使いながらしてゆくところが大きいというお話が印象的でした。
普段では、なかなかお聞きする機会のない、アーティストの作業風景に触れることが出来、とても貴重なお話が満載でした。
私も作家ではないですが、「素材と向き合う」というお話は、どのような仕事にも共通する部分であり、共感できるお話がたくさんあって背筋が伸びると共に、作家さんの想いをきちんと伝えることの大切さを再認識する機会となりました。
古賀さん、ありがとうございました!
[暮らしの教室から 3つの質問]
■古賀さんのターニングポイント
特にここがターニングポイント!ということはなく、自然に沿って制作している。
■幸せのモノサシ
制作に集中してひたすら作業することと、OFFにボーっとすることのバランス。ボーっとするのが好き。
■これから望む社会
理屈や言葉・名前が先行した堅苦しい社会ではなく、人間に即した自由があって欲しい。
■古賀さんのターニングポイント
特にここがターニングポイント!ということはなく、自然に沿って制作している。
■幸せのモノサシ
制作に集中してひたすら作業することと、OFFにボーっとすることのバランス。ボーっとするのが好き。
■これから望む社会
理屈や言葉・名前が先行した堅苦しい社会ではなく、人間に即した自由があって欲しい。