特別教室59 [心の埃も払う 中津箒] レポート
講師 柳川直子
会場 RIVENDEL
日程
4月11日 13:00,13:30 15:30,16:00
14:00~15:30
神奈川県愛川町中津にある箒屋さん。
寒い4月の雨の中、その熱い想いを聞かせてもらいました。
中津箒は昔、そのあたりで盛んに作られていた箒を再興したものだそうです。
特徴は、原材料のホウキモロコシの栽培や編み上げる糸の染めもおこなっているということ。
その手仕事は、箒の風合いや美しさ、使いやすさに表れています。
箒づくりは畑仕事が大半といわれるように、ホウキモロコシの成長具合を一本一本確かめ、
一本一本収穫するといいます。
固すぎず、柔らかすぎない適度なコシを持った状態のものを束にしていく、
気候にも左右されるし、根気のいる作業だと思います。
その箒は、人々のニーズに応え、今は色々なカタチのものがあるとのこと。
お話を伺うと、箒は掃除機の普及とともにあっという間にその姿を消して、
箒屋さんは廃業に追い込まれたのだそうです。
それを一念発起して、柳川さんが種を集めるところから始めたのが、十数年前とのこと。
今では箒に魅了されやってきた若い人や戻って来た昔の職人さん達によってその伝統は復活しています。
なぜ、今箒が見直されているかと訪ねると、柳川さんはさらりとおっしゃっいました。
「掃除機に愛しさはないでしょ。この箒は年月や使い方とともに変化していくんです。」
「最後は土に還りますし。」
柳川さんは野山が小さい頃から大好きだったそう。
「自然の中で育つと、苦しい時も乗り越えられるし、切り開いていけるようになるのよ。」
さりげなくおっしゃったその言葉が、レイチェル・カーソンの言葉と重なりました。
熊澤弘之
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◯ターニングポイント
京都の親戚から、一本の箒が贈られてきて、後世に残さなければと強く思ったこと。
◯幸せのモノサシ
関わる人がニコニコ楽しく幸せそうになること