特別教室32 豊田庄吾 地域の担い手を育てる
講師
会場 OISO1668
日程
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島の高校が廃校する。
一学年の入学者が21人をきると県の規定により廃校と決まっており、
このままでは確実にその状況を迎えるという現実。
海士町がある隠岐の島は本土から3時間半。
島から高校がなくなれば、子供を本土の高校に通わせなければならないが、
通学は不可能なため一人暮らしをさせなければならない。
子供を高校に通わせるために一人暮らしさせると年間150万円ほどの支出があり、
島の人にとってこれは大きな出費のため、家族ごと引っ越してしまうことが容易に予想された。
親世代は40代と島では一番の働き世代であり、10代、40代の家族が抜けてしまうと
過疎化が一気にすすむ事とイコールであり、廃校の問題は島の存続の問題である。
海士町を含む3町は高校を存続させるべく「魅力化プロジェクト」を
立ち上げ県立高校の魅力化に町が取り組むことになった。
職員の効率化を考えると島根県も廃校やむなしの中の立ち上げだった。
マイナス面をむしろプラスととらえ少人数制、地域課題を考える独自のコースなどをうりとし、
偏差値でははかれない課題解決能力を育てる教育を展開した。
まさにグローバルな視点を持ってローカルで行動できる地域の担い手を育てることを目指した。
そして公営の塾などを立ち上げるなど、もちろん一般学力の向上面にも力を入れた。
この魅力化プロジェクトは評判を呼び、今では全国、いや全世界から入学希望者をうみ
高校の人数はV時回復をしている。
そりゃそうです。
豊田氏は未だ国交省や電通の新入社員の社員研修をされているとの事でしたが、
そのプログラムを高校生にもさせているそうですし、
そもそも高校の授業でリクルートの現役社長やノーベル平和賞受賞のユヌスさんが
お話ししてくれる県立高校など他にありますか?
少子高齢化の課題先進県島根県、さらに本土から3時間半と
より厳しい条件の中、課題を克服する豊田氏のお話は心揺さぶられる素晴らしいお話でした。
元気なまちには必ずそのまちを愛している元気な人が活躍しています。
そのまちを愛している優秀な人材の育成は将来のそのまちのまちづくりそのものです。
学生数のV字回復という短期的な成功もおさめていますが、
本当の成功は10年20年先だと思いました。
今後の海士町に目が離せません。