特別教室60 [自分なりに豊かに暮らすために、今でも活かせる二宮尊徳の話] レポート
講師 草山明久(報徳二宮神社宮司)
会場 旧三福
日程 5/14 18:00-20:00
前回の「暮らしの教室 特別教室」は切りよく60回目。会場である小田原の旧三福にゲストとしてお招きしたのは、小田原城のすぐおとなり、報徳二宮神社の宮司、草山明久さん。「自分なりに豊かに暮らすために、今でも活かせる二宮尊徳の話」をテーマにじっくりお話をお伺いしました。
至誠(現代でいうコンプライアンス)、勤労(同CSR/CSV)、分度(足るを知る)、推譲(剰余を未来へ投資する)という報徳思想をベースに地域を次々と再生していった二宮尊徳。
草山さんは、二宮尊徳の教えを現在に実践するため、地域の様々な方と多くの事業を行っています。
その取り組みの1つ、小田原柑橘倶楽部では、人・もの・お金が地域を循環するしくみづくりを実践しています。片浦レモンやみかんを使った加工品の企画販売を中心に、地元の農家と食品メーカー、問屋、スーパーなどと協力した生産・販売体制をつくっているそう。毎年10万本以上を出荷する片浦レモンからはじまり、ジェラートやドロップ、羊羹、パテなど品目やメーカーなども徐々に広がりを見せています。今後は、小田原柑橘倶楽部の取り組みをさらに広げていくとともに、他の分野においても実践を広げていきたいそうです。
ちなみに、尊徳が説いた思想のなかで私が好きなのは「積小為大」。焦らずに地に足をつけて一歩ずつ進んでいこう、と背中を押してくれる言葉です。
参加した方たちもそれぞれの立場で気づきがあったのではないでしょうか。
山居是文
[暮らしの教室から 3つの質問]
◯ターニングポイント
たまたま実家が神社でその跡取りとして生まれたが、家を継ごうという気になったときに、どうせなら小田原に住んで、神社の神主になってよかった、と思える人生を送ろう、と決めた時。
東日本大震災を経て、儲かればいい、ということではなく、生業を成立させながらも地域や社会に貢献する、ということを確信した時。
◯幸せのモノサシ
友だちが増えること
スタッフと飲んでるとき
家族と遊んでるとき
◯これから望む未来
小田原を、人口が増えなくても持続するまちにしていきたい。そのためにも、まちにあるかっこよく見えなかったものをリメイクして、良さを見せられるように取り組んでいく。地域課題を解決しながら、それをみんなで楽しくできていればいい。また、地域コミュニティのなかで神社が住民のコミュニケーションの場になっていきたい。