暮らしの教室特別教室115「植物と私たちの暮らし~香りと暮らす well earth~」レポート

講師 佐々木薫

会場 熊澤酒造

日程 10/23 15:30-17:00

10月23日に開催致しました、暮らしの教室特別教室。アロマテラピーやハーブの第一人者である佐々木薫さんに、アロマやハーブの効用から、10年の歳月をかけて世界中を巡り、アロマやハーブの果実や樹木などの原産地や、ゆかりの地を訪ねた旅のことなど、貴重なお話をしていただきました。

「(株)生活の木」のカルチャー事業本部ゼネラルマネージャーをお勤めの佐々木さん。

入社と共にハーブと関わり、ライフワークとしてきたと仰います。

料理でも、香りを楽しむことなどでも、どんなことでもよいのでハーブやアロマの良さを知っていただきたいというのがご自身の哲学だそうです。

佐々木さんが入社されたころは、日本でハーブといってもほとんどの方に馴染みがなく、一部のわずかな人の嗜好品という位置付けでしたが、世界各地で生活の一部としてなじみのあるハーブやアロマが、これから日本にも広がっていくだろうと、当時陶器の会社であった生活の木が、ハーブやアロマの事業に携わり、そこから佐々木さんの人生も今の方向へベクトルを変えて展開して行きました。

講義はまず、そもそもハーブとは?という基本から、エッセンシャルオイルやハーブの歴史、体に影響を及ぼすメカニズムなどのお話から始まり、その中には歴史や神話に登場するエピソードや、様々な蒸留の歴史、国によって違う蒸留の機械のご説明など、幅広くとてもわかりやすくお話ししていただきました。

現在でもコロナの後遺症対策にWHOがアロマを使った嗅覚トレーニングの効果を提唱するなど、古い時代から現代まで、ハーブやアロマが私たちと深く関わり、その力を借りてきたことがわかります。

またその合間に、お持ちいただいた蒸留器で蒸留のデモンストレーションも見せていただき、蒸留が進むにつれてとてもいい香りが漂ってきます。

また、実体験として、参加者皆さんにシアバターにアロマオイルを垂らして混ぜていただいたり、「ムエット」という香りを試す試験紙に5種類もの香りを、その植物のお話と共にお一人お一人に嗅いで香りを体感していただきました。

皆さん、口々に「いい香り~」、「この香りが一番好き」などのお声が。

そして、いよいよ佐々木さんがおよそ10年かけてアロマテラピーにまつわるハーブや花、果実、樹木などの原産地や、ゆかりの土地を訪ねた旅のお話に展開して行きました。

お話は、世界各地の様々な環境・ハーブの産業・暮らしなど、実際に訪れて体験した方ならではのとても貴重で楽しいお話ばかりでした。

佐々木さんが旅のお話の中で、「植物の力は、生存競争のための秘密兵器であり、動けないために動き以上のことをしている」と仰っていたのが印象的でした。

旅などの経験のお話はもちろん、合間合間の佐々木さんの思いや植物への敬意のお言葉もとても学びがあったように思います。

佐々木さん、お忙しい中本当に貴重なお話の数々をありがとうございました!

[暮らしの教室からの3つの質問]

■佐々木さんの人生のターニングポイント

 好きなことが仕事となり、仕事が好きになったということ。

 講座の講師の仕事に携わり、人に対して興味がわいたこと。

■幸せのモノサシ

 新しいことを見つけること・知らないことに興味がわくこと

 わくわくすること・好奇心を失わないこと

■これからの社会に望むこと

 一家に一本精油があるような社会。

 ハーブやアロマにもっと価値を見つけてくれる社会。

 そうした変化があることで、社会も変わるのではないか。

【佐々木薫さんプロフィール】

AEAJ認定アロマテラピー・プロフェッショナル。

㈱生活の木カルチャー事業本部ゼネラルマネージャー。

精油やハーブをはじめ植物の文化・歴史を探ることを

ライフワークとする。生活の木Herbal Life Collegeをはじめ、

各種カルチャースクール、社会人講座などの講師として活動、

ハーブやアロマテラピーの楽しみ方から専門知識まで、幅広い内容を

レクチャーしている。

著書に「ハーブティー事典」池田書店、「最新4訂版アロマテラピー図鑑」

「佐々木薫のアロマテラピー紀行」主婦の友社、

「癒しのアーユルヴェーダ」BABジャパン、他。

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