特別教室125 〜作る幸せ、愛でる幸せ〜「わたしだけの箱庭作り」トーク+ワークショップ レポート
講師 高浦裕子(株式会社GREENETTA代表)
会場 熊澤酒造
日程 10/22 16:00 - 17:30
秋晴れの10月22日。
125回目の特別教室は茅ヶ崎 熊澤酒造にて、講師には、長年造園プランナー&企業のガーデンコーディネーターとしても活躍されているGREENETTA代表の高浦裕子さんをお招きしました。
箱庭は箱の中に石、砂、植物などを配置して作った庭のこと。
箱庭セラピーは、対話をしなくても心が表れるという療法として50年ほど前から行われている北欧発祥の療法です。
セラピーではセラピストが見守る中、クライエントが自発的に砂の入った箱の中にミニチュア玩具を置き、また砂自体を使って、自由に何かを表現したり、遊ぶことを通して行います。
また療法という言葉がつく方法はたくさんあるそうで、箱庭セラピーは、車いすを使う人がガーデンを育てる園芸療法や、ハーブを用いて行うハーブ療法、香りを取り入れる芳香療法(アロマテラピー)などある「植物療法(フィトテラピー)」のひとつでもあります。
今回、高浦さんが提案してくださったのは、 緑や土を触るだけで心が落ち着く、そんなシンプルでピュアな感覚を大切にして「箱庭」をもっと身近に、自由に楽しく生活に取り入れてみませんか?ということ。
自分だけのお庭を緑をインテリアとして視覚的に楽しめて、創りながら土や緑の触る感覚に癒される、そして、その自分のお庭を育て愛でていく。
自分に合うことを生活時間の中に取り入れるとセルフケアにもなる。
そのような、やさしい循環が生まれる箱庭を高浦さんと一緒につくっていきます。
自分自身も大切に慈しむような箱庭つくりのお話を伺い、参加者の皆様は、早く作りたい!と目を輝かせていました。
今回はオケバ流という事で、使用する箱は色々な形、素材の古物を再利用したものを使います。
何かに使われていた木箱や、ホーロー、器、パンの型、引き出し、木の家のオブジェ、金属の部品、、
一度役目を終えたものたちも、お庭の一部になるということで嬉しそう。
砂や、白砂利、苔、沢山の緑たちもご用意していただきました。
早速、箱庭つくりスタートです!
自分の好きな森を切り取ったり、おじいちゃんの家の庭を思い浮かべたり、旅で見た景色を思いだしながら作るのもいいですよ、とアドバイスをいただきながら作り始めます。
今日、箱庭つくりの基礎を学んでいただければ、今後は気軽に家にあるもので作れるということで色々なアイデアを教えてくださいました。
家にあるチップしたお皿やおちょこなどを使っても可愛く仕上がります、とガーデンコーディネーターの高浦さんだからこその視点で、循環する素敵な発想も。
皆さん、制作に没頭。
大盛り上がりで、あっという間に終了時間になりました。
参加者のみなさんが作った箱庭は本当にそれぞれ表情が違います。
1つ1つ個性を放つ素敵な箱庭が完成しました。
作り終えた皆さんの顔は、どこかすっきりとして充実感で満ち溢れていました。
緑は、知らず知らずのうちに私たちの生活を豊かに手助けをしてくれているのだと実感しました。
そして、人は本来、「自然の生き物」であるということも。
自然の力を感じることは、自分の心や身体と素直に向き合うことなのだと感じました。
「自分で何をチョイスするのか?自分の好きなものは何だろう?
人に聞くわけでなく自分の心に聞いてみてください。」とおっしゃっていた高浦さん。
このまっすぐな言葉を自分のものさしとしていれば、自分自身を慈しみ、
そして周り人やモノも大切にできるのではないでしょうか。
■暮らしの教室からの3つの質問
ー高浦さんの人生のターニングポイントは?
生まれからずっと都会暮らしだったため山を知らなかった自分が家を出たかった一心で200人くらいの園芸生活学科に通った時。山の生活や自給自足という考えがぴったりとハマった。
ー高浦さんの幸せのものさしとは?
自分の楽しい時間、楽しみをつくるという事を意識している。
そうすれば周りも楽しくなるはずという想いをいつも抱いている。
ーこれからの未来に望むことは?
高層ビルを失くそう!ということ。生活に密着した建物が欲しい。
写真:松本茜さん instagram @matsumotoakane_photo
当日の熊澤酒造の空気を撮影してくださいました。素敵なお写真ありがとうございました!
講師プロフィール
高浦裕子(たかうら ゆうこ)
株式会社GREENETTA代表
造園プランナー・コーディネーター。庭、テラス、店舗ディスプレイのプランニングから施工に関する樹木や資材のコーディネートも行う。
2005年よりリースやディスプレイなどのワークショップを通して植物に親しみ、生活にグリーンを取り入れることを提案。