特別教室152 三好明「熱海のまちづくりって、実際どうやってるの?」レポート

講師 三好明(マチモリ不動産 代表取締役)

会場 旧三福ビルヂング

日程 2026/04/12(日)14:00 - 16:00

4月の小田原・旧三福ビルヂングで開催した特別教室は、熱海からマチモリ不動産の三好明さんをゲストにお迎えしました。
これまで福岡移住計画の須賀さん、ご近所・二宮の太平洋不動産から宮戸さんなど地域に根ざした不動産屋さんを何度かお招きしてきましたが、今回も地域の課題やそこに住む方々と向き合いながら、まちの未来をつくっていく取り組みを赤裸々にお聞きすることができました。

三好さんは、高齢化が進む熱海の不動産課題に向き合いながら、まちの中で暮らしを広げるような住まい方や地域に根ざした不動産業を実践してきました。
時に従来の熱海の不動産業のセオリーからは外れながらも、リアルな市況や需要に合わせて新しいアイディアを続々と形にしています。借りる人を先に決めてから物件をリノベするとか、大家さんの持ち出しが少ないサブリースを提案するとか、買い取った物件を数年は民泊として運営して途中で住宅として売却するとか…三好さんはすごいアイディアマン!そして何でもまずはやってみよう、というチャレンジャーでもあります。その分失敗もあるそうですが、数々のチャレンジのなかからその後のビジネスの基軸になる事業もあれこれ生まれています。

お話を聞いていて、三好さんは単なる仲介役としての不動産屋ではなく、まちの“編集者”や“伴走者”として活動しているんだと感じました。これは私たち旧三福不動産も日々心がけていること。物件を右から左へ動かすのが仕事ではなくて、そこから何が生まれるか、そこからまちがどう楽しく、素敵になっていくか、そのきっかけをデザインするのが私たちのあるべき姿勢だと思っています。三好さんの言葉を聞きながら“そうそう、それが不動産屋の醍醐味ですよね…”と心の中でこっそりうなずいていました。

特に共感したのは、三好さんのこんな言葉。
「よく“不動産屋として熱海に何屋さんがほしいですか”って聞かれるんですけど、何屋さんかってあんまり関係なくて誰がやるかなんですよね。やっぱりそこで身銭を切って長くここにいたいと思ってくれる人が1人でも2人でも増えることが大事で。そういう人をいかに作れるか、これが今の課題だなと思ってます」
…わかるなぁ。このまちで、誰と、どんな面白いことを作り出せるか。単に熱海ブームに乗っかるのではなく、数字には表れない価値を大切にできる人、面白がれる人を増やしていくこと。三好さんの活動は、不動産を通して熱海の未来づくりを担っているんですよね。

熱海と小田原。場所は違えど、やっていること、目指すことの根っこは同じ。マチモリ不動産に刺激をもらいながら、旧三福不動産も小田原のまちと暮らしをさらにごきげんにしていきたい。私たちも改めて背筋が伸びて、心地よい連帯感を覚えた時間でした。

《暮らしの教室から3つの質問》

●人生のターニングポイント
NPO法人ETIC.での出会い。起業を通して社会を変える人がいるんだ、という気付きを18歳頃に得られたのが大きなターニングポイントになった。政治家とかにならなくてもビジネスを通してなら自分でもできそう、と感じた。

●幸せのモノサシ
理由はないけどなんか好き、みたいなものを自分で発見して楽しめること。

●これからの社会、地域がこういうふうになってほしい
小さな個人店が増えるみたいな、やってることは小さくても意志を持って自分のしたいことをしている人がちょっとでも増えていってほしい。熱海に来て、ここの店でこの人にお金を使いたいな、と毎日クラウドファンディングのようなお金の使い方をするようになったのが幸せ。


株式会社マチモリ不動産 代表取締役 三好明
東京都立川市出身。大学卒業後、株式会社コスモスライフ(現:大和ライフネクスト株式会社)にてマンション管理業務に13年間従事。2012年から株式会社machimoriにて、プロボノとして、不動産管理のノウハウを活かし公共施設の指定管理やリノベーション物件の開発に携わる。2017年株式会社machimori取締役に就任。熱海の中心市街地再生を目的とした遊休不動産のリノベーションによる事業開発、エリアファシリティマネジメント事業を担当。2019年株式会社マチモリ不動産として独立。熱海の中心市街地で、まちを一つの大きな家に見立てた生活「まちごと居住」をコンセプトに、空き物件のリノベーションを行なっている。将来的に目指すは地域性を活かしたディベロッパーになること。

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