特別教室154 藍染 LITMUSの仕事 レポート
講師 LITMUS(吉川和夫/松井裕二)
会場 熊澤酒造
日程 6/14 15:30-17:00
第154回暮らしの教室特別教室は、「LITMUS」という名で染め師をされている吉川和夫さんと、松井裕二さん、そしてレディースデザインを担当されている松井陽子さんに熊澤酒造にお越しいただき、開催しました。


日本の伝統的な染色技法、灰汁発酵建てによる藍染を続けるLITMUSさん。化学薬品を一切使わずに建てた藍液から生み出される作品は、熊澤酒造代表の熊澤茂吉が長年愛用しているアイテムでもあります。この日、熊澤が毎年LITMUSのアイテムを購入してきたものを一挙大公開。

奥様の由布子さんが着用されていたワンピースも、10年以上前に購入されてご着用され続けられているものだそうで、前に出て来てお見せいただきました。

日本では、古来から人々が藍から発酵で藍液を創り出し、藍染が行われてきました。一番栄えた江戸時代を経て、現在ではコストを抑えて効率的にするため、化学染料で染められていることが殆どです。
ですが、発酵文化の根強い日本では、手で染める仕事もしかっりと残っていったところもあり、LITMUSのように文化を引き継ぎ、今でも続いているところもあります。ですが、藍染の盛んな徳島などでももう残っている工房は数件とのこと。どんどん失われつつあります。
そんな手間も暇もかかる藍染とは__?というところからお話は始まり、3人の様々な経歴や経験談が展開されて行きました。

中でも、松井(裕二)さんのお話しはとても奥が深いものでした。藍染の液を創ることを「藍を建てる」といいますが、その発酵へのこだわりはもちろん、日々の観察や考察は並大抵のものではないと感じます。また、藍を建てて終わりではなく、そこから染める中でも「生き物」としてのお付き合いが始まり、元気がある・ないなども有るというお話しなど、染師でしかわからない経験をお話しいただきました。
吉川さんがLITMUSの生い立ちや想いのプレゼンテーションを上手にしながら、松井さんが職人のように藍を考察して行き、お2人で意見を交換し、洋服を染めて生命と付き合いながら日々LITMUSとして活動されている様子が伺えました。


また、松井さんの奥さんでもある陽子さんは本職は別ですが、「私が着たい1枚」を毎年数枚だけ、LITMUSのレディースデザインとして発表されています。様々なご経験や想いがある中、「何事も『喜び』がなくては上手くいかないと感じていて、藍液も、みんなが楽しい様子でいると調子がいいんです」と仰っていた事がとても印象的です。藍液は、本当に生き物なのだなと。

日々同じものはない、同じ時間もない。人々のその中での経験と見地が、文化を生んで行くことを感じるお話しでした。
《暮らしの教室から3つの質問》
●人生のターニングポイント
松井(裕二)さん:骨董市で藍染の生地に出会ったこと。出会わなかったら今こうしていないかもしれない。
吉川さん:松井さんが修行していた徳島の藍染工房で染めた時の色に「はっ」とした時。
●幸せのモノサシ
松井(裕二)さん:生地を染めて、天日に干している時に、太陽の光を浴びて染まった生地が「いい色だな」と思う時。
吉川さん:色を扱っている中で、同じ感覚をお客様に感じてもらえる時。
松井(陽子)さん:お客様にいいものに出会えた!と思っていただいたのを目にした時。
●これからの社会、地域がこういうふうになってほしい
松井(裕二)さん:自分の染めたものが、誰かの何かを始めるきっかけになったら・・そんなことがたくさん起こる社会。
松井(陽子)さん:「喜び」があることで藍染の染が上手くいくように、喜びと共にサイクルが生まれてゆくこと。
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LITMUS (吉川和夫/松井裕二 &松井陽子)
日本に古くから伝わる、天然素材のみを使用した藍染の染色技法“灰汁発酵建て(あくはっこうだて)”を受け継ぐ。その技法にこだわりつつ、既成概念に囚われないものづくりで「日本の藍色」を表現し続けている。




