特別教室122 今和泉隆行「空想地図作家のつくる現実世界の新しい地図」レポート

講師 今和泉隆行

会場 旧三福

日程 2023/05/14(日)14:00 - 16:00
(受付 13:45 − )

5月の特別教室は小田原の旧三福にて、お久しぶりの再会!2019年以来2度目のご登場、空想地図作家の今和泉隆行さんをゲストにお招きしました。

空想地図(今和泉さんが7歳の頃からつくっている実在しない都市の地図)についてじっくり語っていただいた前回とは一転、今回のテーマは『空想地図作家のつくる現実世界の新しい地図』。実は今和泉さんは、リアルな地図のデザインや地図関連の実用書、教育書の出版など現実の地図にまつわるお仕事も多く手がけられているんです。

この日は地図の読み解き方や、(都道府県ではなく)市外局番で色分けした地図の解説など地図好きさん、地理好きさんにはたまらない話題のオンパレードでした!そもそも市外局番がどんなふうに振り分けられているのか、というお話は会場の皆さんもだんだん混乱してくる複雑さで、その難しさすら面白がってふむふむと聞いている参加者の方々の様子がとってもいい雰囲気でした。

市外局番地図ポスター

今和泉さんはある時気付いたそうです。幼い頃から地図が身近で日常的に読み込んでいる自分(や地図界隈の仲間たち)と一般の人では、どうやら地図の見方がまったく違うようだ、と。今和泉さんは地図を見るだけで、そのまちのどの辺りから坂が始まるのかとか、昔は駅のそばじゃなくてこっちのエリアのほうが栄えていたんじゃないか、みたいなことまでわかってしまうんだそう。地形を見ればそのまちの人の流れや歴史も紐解けるなんて、地図の世界面白すぎる…!

その地図を見るセンスは、もはや特殊能力?!と感じるくらい超新鮮な感覚でした。でも、そのすべては膨大な知識量と、実際に日本中、世界中のあちこちを歩いてきたからこそ培われたもの。地図が大好き、という愛があるからこそ追求し続けられるんだろうなぁ。キラキラした表情の今和泉さんの姿がまぶしかったです。

[暮らしの教室から 3つの質問]

■今和泉さんのターニングポイント
2011年に会社員を辞めて自営業になったとき。それまでは自分のためだけに地図を追求していたが、人に求められて生み出すことが増えてきた。

■幸せのモノサシ
大小様々な仕事を通して浅く広くいろいろな世代、属性の人たちと話す機会が多くて、そのごちゃまぜ感が幸せ。

■これから望む社会
自分自身、これまで能力の偏りを活かして生きていこうとしてきた。様々な個性があるなかで、それが活かされる世界であってほしい。

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今和泉 隆行

1985年生まれ。7歳の頃から空想地図(実在しない都市の地図)を描く空想地図作家。空想地図はテレビドラマの小道具製作やゲームの舞台の地図製作のの発注がある他、現代美術として、東京都現代美術館をはじめ各地の美術館に出展している。過去に47都道府県300都市を回って全国の土地勘をつけ、独自の地図デザインを模索し、グッズの製作・販売も行う。著書は「みんなの空想地図」(2013年)、「『地図感覚』から都市を読み解く―新しい地図の読み方」(2019年)他3冊。展示や著述の他、テレビの深夜番組(タモリ倶楽部、アウト×デラックス、激レアさんを連れてきた、等)に出ることもある。

空想都市へ行こう! – 地理人がいざなう、空想地図の世界へようこそ。

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